北はどっちだ?

ムカシムカシのおはなしよ。

これはtom先生が修学旅行に引率した時の、別のおはなし。

担任の先生が夜の点呼をして回っているころ、副担任のtom先生は廊下を巡回します。すると、ある部屋のドアが開き、男子生徒が顔を出します。「こらこら、もう消灯時間だよ。ドアを開けちゃダメじゃないか」するとその男子生徒はマジメな顔で聞いてきます。「先生、キタはどっちですか?」「えっ?!なんで?そんなこといいじゃないか。早く寝なさい」「いやいや、気になって眠れないっすよ。教えてくださいよ」どうやら『きたまくら』で寝るのがイヤみたいで、方角を気にしているようす。「えーっとね、月がコッチの方角に出てるから・・こっちかな?」と少しイイカゲンな感じで答えたのですが、当の男子生徒は安心したらしく、「ありがとうございます!おやすみなさい!」バタン!とドアが閉まりました。

慣れない旅行先、マクラが変わって眠れないという子もいたようです。翌日の朝、食事の時にこの話は軽い笑いを誘い、先生方のココロに一陣のさわやかな風が吹いたようでした。

それにしてもtom先生、本当にその方角、北でしたか?